脱WordPressのススメ

MAY 24 , 2015 • by Shin Murakami

脱WordPressのススメ

はじめに

よく格安ホームページ制作会社などの宣伝で「WordPressを入れれば簡単に更新できますよ」という触れ込みをよく見かけるようになりました。そんな風潮の影響からか、お客様の方から「WordPressで作りたい」と連絡があることもしばしばです。

実際、近頃は「WordPress」というCMS(Webサイトの管理更新システム)ツールを使用してWebサイト(ホームページ)が制作されることも多くなってはいますが、内容をよく理解しないまま「とりあえずWordPressなら安くで更新システムが入れられる」と誤解されている方が多いようなので気になるところです。

そもそもWordPress(ワードプレス)って何?

WordPress(ワードプレス)は、世界で圧倒的なシェアを獲得している無料で使えるブログソフト(CMS)。
WordPress自体にブログとしての機能やページを更新するための仕組みが組み込まれているため、サイトを作成・更新が今までのツールよりも簡単にできます。
さらにHTMLやCSSの知識があれば、簡単に多機能なホームページを作成することができるため、個人ブログから企業のコーポレートサイトまで幅広く利用されています。

WordPressの長所と短所は裏返し

WordPressは元々、制作会社のデザイナーが使う「プロ」むけのツール。プロの要望に応えた拡張性と自由度があることが長所の一つ目。
さらにはオープンソースとして無料提供されていることも、大きな長所。反面、自由度が高いということは、それだけ必要な作業が増えるということ。
また無料であるため、基本的には各種設定作業を自分ですべてやる必要があります。つまりお金というコストはかからないものの、ワードプレスの各種設定作業の「学習時間」と、設定そのものの「作業時間」の二点で、「時間」というコストがかかってきます。

WordPressの長所

おしゃれでかっこいいデザインのテーマテンプレートが豊富
無料でシステムを使うことができる
ブログのようにページの作成・更新ができる
やりたいと思ったことはなんでも実現できる
カスタマイズが自由自在。ただし一定以上のスキルが必要
プラグインを使うことで、いろいろな機能を追加できる
利用者が多いのでWordPressに関する情報がたくさんある

WordPressの短所

個人で作るには専門知識が必須
集客力のあるデザインのHPを作るにはスキルが必要
SEOの対策は自分自身で行う必要がある
サーバー・ドメインを自分で用意する必要がある
カスタマイズするにはWordPressの独自関数の知識が必要
更新できる箇所はほんの一部になることも
不正アクセスを防ぐためのセキュリティ対策が必要
使い方がわからない時に電話でサポートをしてもらえない
システムのバージョンアップをしなければいけない

WordPressを入れるだけで簡単に更新できるようになるんでしょ?

YESかNOかといわれればYESです。文章メインのブログのように文章を流し込むだけなら確かに簡単です。
ただ、ビジネス用途となると、実際には写真を挿入したり表を入れたりと、文章以外の要素が少なからず入ってくると思います。それを、標準の本文入力欄でユーザー(読み手)が見やすいように体裁を整えたりするのは、恐らく「カンタン」と聞いてイメージされるほど簡単なものではないのが現実です。特にレスポンシブ(スマホ対応)にされている場合は、PCとスマホそれぞれの見え方を考慮しなければならず、例えば写真を2枚を横に並べるだけでもHTMLやCSSの知識なくしては決して容易ではありません。
仮に、社内にHTMLやCSSの知識がある人がいるなら、WordPressでも問題ありません。でも、その人が退職したら、次もHTMLやCSSの知識がある人を雇う必要があります。

WordPressなら安くで作れるんでしょ?

こちらもYESかNOかといわれれば、YESです。
使いやすさや見た目を考慮しないのであれば安くで済ませることも可能です。
でもそれは、例えばその辺からダウンロードできる無料のテンプレートで済ませたり、ちょこっと色を変えたりしただけのオリジナリティのないものの場合です。安さを売りにしている制作会社の実績を確認してみてください。写真や色を少し変えただけの、似たようなデザインが並んでいませんか?
ビジネスでは他社との違いを見せることが鉄則ですが、他社や他店とほとんど同じような作りや見た目で本当にいいのでしょうか。
それだけではありません。特に無料のテンプレートでは、見た目だけは整えられているものの、SEO(検索エンジン最適化)ができていない場合が多々あります。しっかりSEO対策をしたい場合には、最低でもSEOについて謳われているものを選ぶ必要があります。

WordPressのメリット・デメリット
メリット

ある程度の知識があれば、手軽に更新・運用ができる
世界で最も使われているCMSであり、さまざまな機能を追加するプラグインが豊富にある
ベースは無料のツールで、プラグインによる機能追加が容易なため、他のCMSと比較して低コストで導入できる
大規模なホームページや更新頻度が高い場合は、運用コストの削減が見込めます。また、通常のホームページより技術的ハードルが下がるため、更新担当者の入れ替わりがあった場合にも学習コストを抑えることが可能になります。
WordPress自体は無償ということもあり、CMSとしては比較的低コストで導入することが可能です。もともとブログ用に開発された経緯があるだけあって、思い通りのレイアウトは簡単ではありませんが、お知らせやブログなど文字ペースで不定形の情報発信に向いています。

デメリット

標準状態では、思い通りのレイアウトをするには一定の知識があることが前提となっている
使いこなすまでには学習や慣れが必要
世界で広く使われているだけあって、ハッキング被害に遭いやすい(サイトの改ざんによるお客様からの信頼性の失墜)
セキュリティ管理などランニングコストがかかる
WordPressは確かに「他のCMSと比べれば」比較的低コストで導入できます。ただ、ハッキングの標的になりやすいため常にシステムの管理をする必要があり、何もしなくても公開している限り保守費用がかかります(管理ができるだけのスキルがあり、ご自身で管理される場合は不要)。
また、機能追加のプラグインも豊富ではありますが、こちらもWordPressと共に恒常的に管理していく必要がある上、WordPressのバージョンアップにより突如動かなくなることもありえます。

単純にメリットばかりを強調してリスク説明をしない無責任な制作会社も多々見受けられますが、このようなデメリットがあることも念頭に置いておく必要があります。また、「保守費用はかかりません」といってセキュリティの問題を放置したり、月額費用を支払っているにもかかわらずアップデートなどの保守作業を何もしない業者もありますので注意してください。ひどい場合は、保守費用を毎月支払いされていたにも関わらず、アップデート等の保守がされず放置されている事例も目にしています。

WordPress は SEO に強いと言われますが、半分正しく、半分間違っていると思います。
確かに WordPress は、「検索クローラーに対してはこう情報を伝えるのがベター」という部分を、難しい事を考えなくとも、強力にサポートしてくれます。特に初心者にとって、それが大きなアドバンテージである事は間違いありません。
しかし、それは「テクニカル SEO」と呼ばれる「こういうルールを守ろうね」という部分であって、決して「WordPress にしかできない特別な事」ではありません。SEO に強い証拠として、Google の Matt Cutts 氏が、WordPress を褒め称えた事を取り上げている古い記事がよくあります。氏が褒めていたのは、あくまでも、「Google のクローラーにはこういうルールで情報を伝えてね!」というところを、WordPress が忠実に守っていた点です。
SEO に「強い」という表現は、一種の誤解を与える表現だと私は感じます。専門的な知識を持つ人なら、とっくの昔から当たり前に守っている事ですので、そこは勘違いしてはダメだと思います。

【WordPress】WordPressのここがダメ

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